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限界耐力計算
一級建築士事務所
トモエ設計室(長野市)主宰・小川悦子
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限界耐力計算

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深化し続ける限界耐力計算 

2025年7月、文化庁文化資源活用課主催の「文化財建造物の耐震対策に関わる講習会」(於:京都市)が行われた。これは2024年の能登半島地震被害の調査結果(令和7年4月)を受けて、調査結果と留意事項の周知、情報共有を目的とされた。 この中で強調されたことは最新の改訂にアクセスすることの重要性だった。1996年から2020年まで8つの指針・手引きが改訂されている。 これは文化財建造物の耐震対策が、阪神・淡路大震災以降に本格化したことからも頷ける。         講習会終盤の総括で東大の腰原教授は、最新の改訂にアクセスすることに加えてネットワークをつくることが大事、そして限界耐力計算で対応した建物で壊れたものはないと語った。

2023年JSCAマニュアルの大改訂

2023年、JSCAマニュアルが大改訂された。柱群・列柱としての耐力評価ができるようになった。これまで耐震の要は壁と認識してきたが、重要なのは基本構造で柱群、これが重要。この時の感動はなにかに表現せざるを得ない心境で(http://sumaitotaishin.com/m13.pdf)に書き記してみた。

限界耐力計算との出会い(2014年)

1990年代、”古い建物は構造的に強い”という記事が建築誌に出ていた。伝統構法の建物は柱と貫で籠のように編まれている訳で直感的に納得できた。が、その後確たる設計法に出会うまで20年超。この間、既存不適格とされる古い建物たちが、どんどん軽快な新築に変わっていくのを見た。2014年、自宅(昭和20年築)改修を余儀なくされ、既存不適格の解消に時間制限なしで取り組む決意をした。そして伝統構法の建物の法適合は可能で、それが限界耐力計算という設計法だと知るに至った。           

地盤に多くのページが割かれている

限界耐力計算のマニュアルはJSCA関西のホームページから無料でダウンロードできた。その分厚いマニュアルを最初に読んだ印象は”何が書いてあるか分からない”だったが、地盤のことに多くのページが割かれていることは分かった。木造住宅耐震診断士は軸組から上を検討すればよいとされている。そのことを同世代の女性たちに話した時「え〜っ!建築士ってそういうことやってるの!?」と、一斉の反応にこちらがたじろいだ。限界耐力計算では地盤が重要な要素である。拠って建つ地盤を考慮に入れる、当然といえば当然のことで、これなら彼女たちも異論はあるまい。

常識がくつがえる

限界耐力計算についてはマニュアルのみならず計算ソフトも無料でダウンロードできることを知った時”根本が違う”感じがした。通常の確認申請の場合、不備の内容はFAXなどで伝え来るが、レビューをお願いした時の対応は直接の電話だった。そして「補強する場合、変形能力の小さいものではなく変形能力の大きいものでやるように」と、こちらの盲を啓く指摘に常識が覆された瞬間だった。とてもFAXが太刀打ちできる対応ではない。この設計法により既存不適格と冷遇されてきた建物たちが確かな根拠をもって生き遺れる!のみならず、実は優れた構造だということが幾つかの建物との関わりで実感できた。

レビュー

マニュアルでは以下のように書かれている。「・・限界耐力計算という多くの設計判断を必要とする設計手法を用いるためには、このような専門家同士の話し合いが不可欠であると言えよう。専門家はレビューを経過することによって耐震安全性に対する独断を排し、広いコンセンサスのもとに改修を進めることができ、またレビューを行う専門家も自らの知見を広めて高度な設計力を獲得していく。」と。構造設計の経験豊富な実務家の方々による、設計者・行政への支援制度があることで、普通の建築士でも限界耐力計算に取り組むことができる。この柔軟なシステムは双方に厳しい責任を要求するが、結果、納得を与える。

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JSCA関西 木造住宅レビュー委員会 
「伝統的な軸組構法を主体とした木造住宅・建築物の

   耐震性能評価・耐震補強マニュアル 第7部 」(2023年10月改訂版)(初版2019年) 

講演(於:大阪府建築士会)内容が掲載されました ”養蚕農家の改修事例(長野県松代)”

     

   





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